家づくりの基礎知識 -登記名義と贈与-
不動産登記は、実際に資金を負担した人の名義で行わないと贈与税の税トラブルに発展します。 つまり、実際に資金を負担していない人の名義で登記した場合には、資金負担者から名義人に対する贈与があったとして贈与税が課せられます。 子供の住宅購入にあたり、親が資金援助をする場合、子供のマイホーム購入資金の一部を親が出す場合、贈与税が非課税又は軽減される方法は次の3つです。 1.登記に際して、子供の名義割合を多くする必要はないケース 親と子供の資金負担割合に応じて共有登記します。 たとえば親子で半分ずつ資金を出し合った場合には、共有持分も2分の1ずつとして登記します。 この場合、資金贈与が行われていないので贈与税はかかりません。 2.贈与税を多少払っても、子供名義の割合をできるだけ多くしたいケース 親が資産家であり将来の相続税対策が必要な場合には、子供のマイホーム購入に際し贈与税の軽減特例を利用して、父親から子供に生前贈与を行うことが有効です。 具体的には「相続時精算課税制度」の「住宅取得資金の贈与の特例」を利用すれば、親から20歳以上の子に対して住宅取得のために現金を贈与した場合は3500万円まで非課税、これを超える部分については一律20%の贈与税課税となります。 3.子供の名義割合を多くしたいが、贈与税はゼロとしたいケース 相続税はかかるが、それほど多額とならないケースは次の方法がよいと考えます。 すなわち、子供のマイホーム購入に際して、贈与税の軽減特例を活用して贈与税ゼロの範囲内で父から子供に対する資金の贈与を行う方法です。 「贈与税」の「住宅取得資金の贈与の特例」を利用すれば、父母または祖父母から子または孫への住宅取得のための現金の贈与については550万円まで贈与税が非課税となります。 共働き夫婦が住宅を購入する場合の登記名義夫婦ともにローンを組む場合 夫の資金負担額と妻の資金負担額の割合に応じて共有登記をします。 資金贈与が行われていないので贈与税はかかりません。 夫1人がローンを組む。現在共働きであるが、妻は専業主婦になる計画、というケース 現在は妻にも収入があるが、将来は働き続ける予定がないという場合には、夫が組んだローンは結果として夫の収入で返済していくのですから、それを前提に名義割合を決めます。 夫の頭金(夫の収入に応じて蓄積した預金等)と夫が組むローンの合計額と、妻の頭金(妻の収入に応じて蓄積した預金等)の額の割合に応じて共有登記します。 こうすれば資金贈与が行われていないので贈与税はかかりません。 たとえば住宅購入価格4000万円のうち、夫婦それぞれが頭金として500万円ずつ負担し、残り3000万円を夫の名義でローン契約した場合、夫の持分を「3500/4000」、妻の持分を「500/4000」として登記します。 夫1人がローンを組む。現在共働きであり、妻は今後も働き続ける予定。 ローンは夫婦共同で返済する計画、という場合本来は夫婦各々の名義でローンを組むべきですが、夫の名義でないとローンが組めないというケースも多いようです。 その場合には、夫が組んだローンを夫婦共同で返済していくことになりますので、各人の返済額と頭金拠出額の合計額によって負担割合を計算し、持分割合とします。 夫婦が共同でローン返済を行う場合には、夫1人が組んだローンであっても、夫婦の所得金額の比など、合理的に負担割合を決めて登記した場合には、贈与税の課税はありません。 相続税対策が必要な場合 夫が資産家であり、将来の相続税対策が必要な場合には、マイホーム購入に際し「贈与税」の「配偶者控除の特例」を活用して配偶者間で生前贈与を行うことが有効です。 具体的には、婚姻20年以上の夫婦であれば、自分が住む住宅の所有権や住宅取得資金について配偶者から贈与を受けた場合、2110万円まで贈与税が非課税となります。 |
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